手術が始まりました。
母と二人で、待合室で待つ事にしました。
父は、通勤前に顔を出してくれました。
手術が終わる時間が近づいて来ました。
廊下の方からパタパタと音がします。
すごい勢いで走ってくる人がいます。
外科の医長(現院長)でした。
医長(現院長)は、母と私の前で止まりました。
ニコニコ、ニコニコしています。
「良かったねー、良かったねー。」
「もう大丈夫だよ。」
「綺麗になったからね。」
「全部取れたからね。」
「僕も立ち会っていたんだよ。」
医長(現院長)は、満面の笑みで喜んでいます。
何度も繰り返しています。
「良かったねー、良かったねー。」
「ぜぇーんぶ、取れたからねー。」
そして、手術室へパタパタと急いで戻って行かれました。
報告をするためだけに、わざわざいらして下さった様です。
一瞬、状況がつかめず母と二人でポカンとしてしまいました。
そして母が、医長(現院長)の様子を見て「私も病気になったらこの病院で診てもらいたい。」と、話していました。
手術室から、主治医(執刀医)と助手の医師が出て来て説明が始まりました。
お二人とも、顔だけでなく首や腕まで汗でびっしょりでした。
「予定どおり手術は終わりました。」
「すべて取り切りました。」
「ご主人は徐々に麻酔から覚めます。」
「見ますか?」
切除した物を見せて下さいました。
手術内容の図を描きながら、丁寧に説明をして下さいました。
手術前にもお聞きしていたのでよくわかりました。
他の病院と比べる事は出来ません。
しかし、
「まるで家族の様に喜んで下さる医長(現院長)」
「丁寧な説明、どの様な質問にも真摯に答えて下さる主治医」
「他部門・他科(看護部・薬剤部、内科・麻酔科、その他全て)との綿密な連携」
を見て、この病院で良かったと思いました。
あとは、病理検査の結果を待つのみです。
結果は2週間後。
その日を緊張しながら待ちました。