「3度目の入院」と同時に諦めかけた起業ですが、鞄の中にはいつも「ロゴ」の(案)を入れていました。
5年後、10年後に機会が訪れるかもしれない、その時のために…と思っていました。
病院内には、コンビニがありました。
隣には、数列の長机・椅子・コピー機など、簡単な作業が出来るスペースが併設されていました。
お弁当を食べている人。
読書をしている人。
パソコン作業をしている人。
病室は個室でしたが、夫が寝ている間はよくここを利用していました。
広いスペースでしたが閑散としていました。
落ち着いて、ロゴを考える事が出来ました。
昔から絵を描いたり、デザインをするのが好きです。
高校時代、少女漫画本で募集していたコンテストで入賞した事があります。
初めて手にする十万単位の賞金の事は、家族には言わずに黙っていました。
しかし、母親に勘付かれました。
母親だからでしょうか…。
女の直感でしょうか…。
お金はすぐに無くなってしまいました。
HP・名刺・バナー等も、素材集を利用して自分で作っています。
無料の画像編集ソフトなどを利用しています。
「PIXLR EDITOR(ピクセラ エディター)」
ある日、いつもの様に作業をしていました。
人が多い事に気が付きました。
皆さんパジャマを着ています。
という事は入院患者さんです。
・設計図を作っている人
・校正の作業をしている人
・ライターの仕事をしている人
まるで、図書館の様でした。
(いつの間にこんなに人が…)
また、別の光景も。
パジャマ姿の男性が、熱心に経験談を披露。
若い男性部下の相談に乗っていました。
上司との人間関係に悩んでいる様でした。
まるで、カウンセリングルームの様でした。
(どちらが患者かわからない…)
患者さんにとって「息抜き出来る場所」は、ラウンジで囲碁や将棋をする場所だけではないと思いました。
特に働いている方は、「仕事への影響」が気になると思います。
不安を感じ、余計体調を悪くすることも…。
“入院中でも「仕事が出来るスペース」”
“同室者に気兼ねなく「職場の人と話が出来る場所」”
2017年1月、「院内オフィス」の記事を読みました。
『厚生労働省は、病院内に「サテライトオフィス」を整備し、仕事が継続できるよう後押しすることを決めた。』
『厚生労働省は調査結果を参考に、企業と医療機関の連携強化などを図る方針。』
『来年度から希望する全国5か所の病院に、癌患者らのために無線LAN、FAX、プリンターなどを設置し検証する。』
もちろん、この施策自体は大賛成です。
しかし、課題は少なくないと思いました。
・主治医の承諾
・産業医の承諾
・職場の理解
・労働時間の管理
・セキュリティ問題
・個人情報漏えい対策
など
数年前、政府がまとめた『事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン』の講習会に参加しました。
参加者は主に「中小企業の経営者」「人事労務担当」。
非常に少なく、空席が目立っていました。
他の講習会は、キャンセル待ちなのに…。
ディスカッションではマイナスの声ばかり。
・相談されても病気の経験が無いから困る…
・女性の相談を、どこまで聞いていいのか…
・有休消化済み・復職後通院の勤務扱いは…
・やはり両立は難しいのでは…
無理もないと思います。
・確かにガイドラインは2016年2月に発表
・しかし、厚労省HPから確認出来ます程度
・企業は、病気に関する知識がありません
・急に、経営方針や経営理念の改善、社内規定の見直し・整備と言われても、すぐに対応出来るものでもありません
しかし、現状は「癌患者の3割が離職」。
「有休」がなくなり欠勤、「収入」が減少。
病気は、誰もがかかる可能性があります。
いつ看病をする側、される側になるかわかりません。
「職場との接点が出来る」という選択肢が増えることは、「本人だけでなく家族にとっても」、疎外感や不安を軽減出来、社会復帰への自信にも繋がると思います。
まずは、「企業の協力・治療の理解」の必要性を痛感しました。