法務局の届け出まで約2か月という短い期間でしたが、お金をかけずに自分でやりました。
事業計画書・定款・創業融資・税務・オフィス・その他…。
子ども時代、起業家の親を見て育ちました。
父は海外生活が長かったため、先生が父の帰国時に「特別父親参観日」を設けてくれました。
父一人だけが後ろに立っていて、恥ずかしかったです。
父一人のために、クラス全員が緊張していました。
母は国内でしたが、あちこち飛び回っていました。
免許状1つにしても、東京で取得した後「他府県のも欲しい。」と言い出し、わざわざ泊りで京都や神戸に勉強をしに行っていました。
両親とも留守が多かったので、親戚や知人宅に預けられる事もありました。
その家の子どもたちと宿題をしたり、夜中まで遊んでいました。
その様な両親を見て育ったせいでしょうか。
私も20代で起業を意識し始めました。
30・40代は、将来の起業を考えながら「業種・職種・資格取得」等を選択し、経験を積みました。
会社設立は義母の命日(12月24日)。
義母は美容院を経営していました。
50歳になったら福祉に関する美容事業をしたいと話していました。
しかし、準備中に他界してしまいました。
3度目の退院日にタクシーの中で、退職を決めたのが8月。
退職日は翌月の9月末。
設立日まで約2か月。
やる事はいっぱい。
事業計画書・定款・創業融資・税務・オフィス・その他…。
創立手続きは、司法書士、行政書士、税理士などの専門家に依頼する方が多いと聞きます。
私もいろんな方から「女性は計画書の作成が苦手」、「専門家に頼む様に」と、当然の様に勧められました。
しかし、事務系(人事・総務・経理・秘書等)に携わる事が多かったため、実務経験があり書類作成にも慣れていました。
「各関係省庁等のHP」に、様々な「記載例」がある事も知っていました。
私だけでなく、事務系出身者は「各関係省庁等のHP」は見慣れている様です。
事務系出身の方で、やはり「全部自分でやっているよ。慣れているから。」と言う声は多く聞きます。
「素人ではないから」、「妻が心配するから」、「仕入等ほかでお金を使いたい」、「介護でいつお金が必要になるかわからないから」…。
皆さんシニアですが、「実務経験」があるため出来るのかもしれません。
自治体主催の専門家による講習会もあります。
例えば「定款」です。
「法務局」と「日本公証人連合会」に記載例があります。
これを自分の理念・方針に修正すれば完成。
そして、「中小企業振興公社の専門家」(自治体運営なので無料)に確認。
一番にこだわったのは、「取締役の人数」。
<法務局・記載例>
第4章 取締役,監査役,代表取締役及び取締役会
(取締役会の設置)
第17条 当会社に取締役会を設置する。
(監査役の設置)
第18条 当会社に監査役を置く。
(取締役及び監査役の員数)
第19条 当会社の取締役は10名以内,監査役は2名以内とする。
こだわったのは、「第19条」。
「当会社の取締役は、2名以内とする。」
2名は、夫と私です。
親族や友人等との共同経営にはなりません。
夫婦でも意見が分かれるものです。
これは、起業を検討し始めた頃から決めていました。
「1名以上にする」という方もいます。
うまく行けば良いのですが、株主に入ってこられてしまい「自分の会社ではなくなってしまった方」もいました。
「1名とする」という方は多いです。
業務拡大で2名になり、「変更登記」の申請をしていました。
その他も、「記載例」を見ながら赤ペンでチェックしていきました。
*そして、「自治体の専門家」に確認して頂きました*
創立前の準備段階からですので、もう5年以上お世話になっています。
「都道府県運営」ですので「無料」です。
東京都と埼玉県の「公益財団法人 中小企業振興公社」を利用しています。
「弁護士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、司法書士、行政書士、社労士、IT、不動産、デザイナー、ファイナンシャルプランナー」等、様々な専門家が揃っています。
普段は個人事務所経営でも、ここでは多くの顧客を抱えているのと同じですので、多種多様の相談に乗っていらっしゃいます。
「契約書の確認」では、弁護士さんが「喋りながらでいいですよ。」と、私の話を聞きながら「各専門書をバンバン開き確認」し、「あっという間に」赤ペンでのチェックが終わります。理由があり他の言い回しを提示すると、「女性だからと無下にせず」真剣に文章を練り直して下さいます。
「決算書類の確認」では、ある年「決算月と夫の入院が重なり」動揺していたせいかどうしても1円合いません。いつもは決算書類の作成は3日で終わります。税理士さんは「書類を机に広げパラパラと見ただけ」で、「固定資産台帳兼減価償却計算表」のPL/BSの相違だとわかり、1分経たないで解決しました。
「定款、契約書、経理・決算等」の確認のほか、「ちらし、名刺等」の印象・意見も頂いています。
*決算書は「税務署・取引銀行」にも相談しています*
簿記1級で経理課の経験もありますが、少しでも不明な点があると「決算時は税務署に予約」をして行きます。
「根拠法令」だけでなく、「間違い易い点」なども含め、丁寧に説明をして下さいます。
ある年「説明がもれていました。」と、わざわざ税務署の上司の方からお電話を頂いた事がありましたが、私の細かい質問のせいでしたので恐縮致しました。
★東京都(ワンストップ総合相談窓口)
http://www.tokyo-kosha.or.jp/support/shien/soudan/index.html
★埼玉県(創業・ベンチャー支援センター)
http://www.saitama-j.or.jp/sogyo/soudan/
3度目の退院日、帰りのタクシーの中で決意した起業。
“夫がどんな状況になっても、前向きに明るく生きていける場所を用意しておきたい”
創立日は「義母の命日、12月24日」。
夫に午前中会社を休んでもらい、法務局へは二人で行きました。
「看病しながら起業」がスタートしました。
経験のない世界に飛び込みました。
OL時代の様に会社は守ってくれません。
全て自分の責任です。
多くの人と関わって行きます。
怖い世界…と感じた事もあります。
昔上司が話していた言葉を思い出しました。
“自分の身は自分で守れ”
そして、スタート後、夫は1年も経たないうちに4度目の入院になります。