【看病:50代③】③ネットでオフィス探し「縁・出会い」

3度目の退院後、しばらく自宅療養でした。

心配でしたので私も外出を控えていました。

 

定款作成前に、「本社所在地」を決めなければなりません。

自宅の住所は公開したくありませんでした。

 

外出を控えていたため、インターネットで「オフィス探し」をしました。

 

昔は、「自宅兼事務所」や「賃貸」が主流でした。

今は、働き方の多様化に伴い非常に沢山のスタイルがあります。

選択肢が広がった事は良い事だと思います。

 

「自宅兼事務所」・「バーチャル」・「レンタル」・「コワーキング」・「サービス」・「シェア」・「賃貸」など…。

迷いました。

 

社会人経験は約30年と長いです。

しかし、起業という未経験の世界に飛び込むわけです。

やはり不安です。

 

検索してみました。

「起業 東京 女性だけのオフィス」

 

当時、ヒットしたのは2社だけでした。

すぐに内覧予約受付メールを送りました。

 

夫の職場復帰後、話を聞きに行きました。

「若い女性」、「男性が苦手」、「家族が心配している」など不安な方は、「女性だけのオフィス」はとても良いと思いました。

 

 

最終的に、男女関係なく、レンタルオフィスに決めました。

https://entre-salon.com/

恐らく、東京で一番安いのではないかと思います。

全店舗(銀座、池袋、新宿、渋谷、東京、横浜、川崎、桜木町、大宮等)を自由に使えます。

 

決めた理由は、内覧日の出来事でした。

内覧が終わり、最寄り駅に向かっていました。

 

遠くから、私の名前を呼ぶ声がします。

説明をして下さった片桐社長(女性、当時32歳位)が、勢いよく走ってきます。

息を切らし、声が出ない程です。

 

びっくりしました。

「どうしたのですか?」

「何か忘れ物でもしましたでしょうか?」

 

とても苦しそうで声が出ない様でした。

はあ、はあ、言っています。

すごい勢いでしたから無理もありません。

 

やっと話し出しました。

「大事なことを言い忘れました。」

「起業時の資金は重要です。」

「しかし、自治体融資は皆落ちています。」

「レンタルオフィスだからかも…。」

「事実を話さなくてはいけないと思いました。」

 

当時、オレオレ詐欺等の組織的犯罪防止のための通知が、各金融機関に関係当局から発出されていました。

融資後突然いなくなる、という詐欺行為が横行していました。

レンタルオフィス、バーチャルオフィス等を利用する起業家には、金融機関が厳しかった事は事実です。

 

「借りた物はきちんと返す人」という実績を作っておきたかったため、少額でも借り入れをする予定でした。

その話を内覧時にしました。

「えっ?」

「お一人もいらっしゃらないのですか?」

 

少し考えてから、「一人だけ」研究者の男性が、2回目で「自治体融資」の審査に通ったとの事。

1回目はレンタルオフィスだけで落ち、2回目はレンタルオフィス+自宅を事務所にしたら認められたという話でした。

「でも、その後は誰もいないんです。」

「政策金融公庫の融資は受けられるんですが…」

「自治体融資は、なぜか皆落ちてしまうんです。」

 

まだ息を切らしていました。

「それだけを言うために走って来て下さったのですか?」

 

社長はニコリと笑いました。

「そうです。」

「良かった、間に合って…。」

「じゃあ、失礼します。」

息を切らしているため片手で胸を押さえながら、ニコニコとホッとした表情で走って戻られました。

 

走って行かれる後ろ姿を見ながら、とても誠実な方だと思いました。

社長の人柄に惹かれ、契約させて頂きました。

自宅に戻りすぐに片桐社長に電話をしました。

「私が自治体融資の2人目の審査通過者になります。」

 

言った手前どうしようと思いましたが、無事に、自治体融資(銀行、信用保証協会、中央区)の審査に通りました。

 

人と人との出会いは本当に不思議です。

あの日の出来事がなければ、もっと自宅に近いオフィスにしていたと思います。

 

 

昔、会社の先輩で、

「出会い=訪れる別れ」

「別れ=次の出会い」

と話していた人がいました。

 

健保組合の皆さんと「別れ」、レンタルオフィスの社長に「出会い」ました。

 

「縁・出会い」は、いつ、どこで、どの様な場面で、訪れるかわからないものだと思いました。