外科で「3か月後にまたCTをしましょう。」と言われ、その日が来ました。
そして、診察日は1週間後でした。
主治医は、CT画像を見ながら1か所を指差しました。
「小さくて見えないかもしれませんが…ここが気になります…。」
「ただ、今度は外科ではないので僕ではないんですよ。」
一瞬にして凍りつきました。
二人とも言葉を失いました。
今までは、私たち夫婦が信頼する外科の主治医がいつもそばにいてくれました。
だから、どんな時でも気持ちを強く持つ事が出来ました。
不安が襲ってきました。
私たちの様子に気付いたのでしょうか。
優しく声を掛けて下さいました。
「紹介状には、今までの経緯を詳しく書いておきますから…。」
「はい。」という、たった二文字の言葉さえ出てきません。
頷く事も出来ませんでした。
同じ病院内ですが、紹介状が必要でした。
「早い方が良い。」と言う事で、その場で電話をして「翌日」に予約を入れて下さいました。
(今度の科はどういうところかしら…?)
(どんな先生かしら…?)
大きな病院は、待合室からして景色が違って見えます。
まるで他の病院に来たかの様です。
主治医に質問したい事が2つありました。
1つは検査の事。
「前回の手術時、検査は年1回と仰いました。」
「でも、今回は3か月後にまたCTをしました。」
「先生には、3か月前に既に何か見えていたのではないでしょうか…?」
やはり見えていたそうです。
「しかし、はっきりとわかる段階ではなかった。」
「3か月後ならわかるのではないかと思った。」
もう1つは大きさです。
「まだ5㎜以下。」
「だから早めの方が良い。」
「転移や再発ではない。原発。」
帰りの車の中は静かでした。
私は、ある事を考えながら外を見ていました。
しばらくして、夫が話し始めました。
「また…〇〇先生(外科の主治医)が見つけてくれた…。」
「(指を折りながら)あの時も…、あの時も…。」
「早期のため、自覚症状がないので気が付かない。」
「先生に出会っていなかったらもう死んでいたと思う。」
私も外を見ながら同じ事を考えていました。
(あっ…夫も私と同じ事を考えている…)
そして、翌日「初めての診療科」で入院・手術の説明を受ける事になります。