外科の主治医に紹介された診療科の初診日。
行きの車の中でドキドキしていました。
理由は、がんの心配ではありません。
(今度はどの様な先生なのかしら…)
毎年の様に繰り返す入退院…。
自分の体の中で何が起こっているのか…。
夫は不安でいっぱいなはずです。
(話しやすい先生かしら…)
(優しい先生かしら…)
(笑ってくれるかしら…)
病院に着きました。
いつもの病院です。
フロアも同じです。
しかし、診療科が違うだけで「こうも、違った景色に見える」ものなのでしょうか。
「まるで、一度も訪れたことのない」様な不思議な感覚です。
順番がきて診察室に入りました。
先生は、私たちを見てニコッと笑って下さいました。
その笑顔を見てホッとしました。
そして、ゆっくりと丁寧に話し始めました。
目を見てしっかりと話して下さいました。
「外科から詳しく引継ぎを受けています。」
「今までの経緯も、全部見させて頂きました。」
今後の話になりました。
・現段階では「小さ過ぎて判断出来ない」
・「2、3か月」様子をみたい
・治療が必要だとしても「早期の早期」
・「外科が早めに」引き継いでくれた
2、3か月の間に精密検査をしました。
「1週間の入院検査」と言われました。
しかし、もう十分勤務先に迷惑を掛けています。
なるべく、通院検査で出来ないか聞いてみました。
先生は、快く相談に応じて下さいました。
「入院検査は4日間」、「残りは通院検査」になりました。
行きの車内は静まり返っていましたが、帰りは二人とも緊張が解けてお喋りをしていました。
「優しい先生で良かったですね。」
「そうだね。良かった。」
この診療科では、大切な日と重なりました。
初診日は、「夫の誕生日」。
そして、入院中に「銀婚式」を迎えます。