4度目の入院期間は、約1か月でした。
退院後、「20年前に義母が話していた事」が気になり出しました。
『50歳になったら悪い物が全部出てくる』という話です。
『50歳になったら必ず2つの事をしなさい。
①2年に1回脳ドックを受ける事(会社の健康診断に無い、脳は手術が難しい)
②体を一度全部綺麗にする事(50歳になったら悪い物が全部出てくる)』
偶然だとしても、亡くなった義母の話どおりになっていました。
毎年、入院・手術・治療・精密検査…。
50代はまだまだ続きます。
終わりが見えない状況にとても不安でした…。
急に、昔勤務していた会社の元先輩に会いたくなりました。
80代の女性お二人(会社の同期)です。
★お一人は、私が新人時代にお世話になった教育係の女性です。
初めての30代入院時、「手術の数日前に」お見舞いにいらして下さいました。
「頑張って!」「それだけ言いに来たの。」
ご主人をガンで亡くされていらっしゃるので、手術を控えた患者の精神面をよくわかっていらっしゃいます。お見舞いは遠慮しようと思ったそうです。
でも、それよりも一言「頑張って!」と言いたくて来てしまったと言われました。
風の様に数分で帰られましたが、夫はとても嬉しかった様です。
あれから15年経っていて久し振りでした。
元気に挨拶をしました。
でも、新人時代からの私を良く知っている先輩です。
新人時代の教育係の方です。
なんでもお見通しです。
私の顔を見て一言。
「ご主人、お元気?」
我慢していましたが涙が出てきました。
(あっ…)
(わかっちゃった…。)
夫が病気を繰り返している、今までの事を泣きながら話しました。
昔と変わらない優しい笑顔で話して下さいました。
「あなたたちは、人生をしっかりと構成しているわ。」
「だから二人とも自信を持ちなさい。」
「まだまだ、これからじゃない。」
★もうお一人の方は、先ほどの女性と同期で勤務先で有名な女性でした。
とても華やかでお洒落で、男女問わず人気のある方でした。
夫と婚約中に、夜お食事に連れて行ってもらった事もありました。
笑顔でいたつもりですが、私の顔をじっと見ていました。
「ご主人、お元気?」
やはり隠し事は出来ません…。
「…なんでわかったの?」
笑いながら私の背中をバンバン叩きました。
「そんなのわかるわよー。」
私の事ならなんでもわかると言われました。
数年前に大病をしたとの事。
「病気をしたからこそ見えてくるものもあるのよ。」
「人生は、まだまだこれからよ。」
「だって、やりたい事が沢山あるんですもの。」
お二人とも80代です。
さすが!お二人とも変わっていない。
すごい!前向き!
夫に、お二人にお会いした事を話しました。
15年振りなので、一瞬驚いた顔をしていました。
私の腫れている目を見て状況を察した様でした。
「いろいろ話を聞いてもらったかい?」
「はい…。」
「お元気だった?」
「はい…。」
夫は、お二人に会った理由を聞きません。
でも、嬉しそうで、静かに笑っていました。
何十年も前の新人時代にお世話になった方に、急に会いたくなる事ってあるんですね。
弱い気を落としてもらい、パワーを頂き元気になりました。
しかし、5度目の入院はそう遠くはありませんでした。