毎年1月頃に、「大腸・胃の内視鏡」・「CT」等の検査をしています。
この年の検査は、12月~翌2月でした。
検査結果は、大腸も胃も異常なし。
夫は「良かった…。」と声に出して、ホッとしていました。
しかし、主治医は黙ってじっとCTの画像を見ています。
首をかしげています。
不思議そうな表情をしていました。
そして、画像の1か所をゆっくり指差しました。
「この部分なんですが…。」
「リンパのこの部分…。」
「1か所だけ大きく腫れているんです…。」
「でも…前回のCTには無かった…。」
(まさか…)
(5度目の入院…)
私たち夫婦が絶大な信頼を寄せる医師です。
初めて入院した30代から、現在まで20年以上、無理矢理お願いをしてずっと主治医になって頂いています。
毎回、がんを小さいうちに見つけてくれます。
見つけるというより、まるで見張っているかの様です。
夫は頭の中が真っ白の様でしたので、代わりに質問をしました。
「リンパですね。」
「何か所ですか?」
主治医は早口になりました。
「まだ1か所。」
「だから治療は早い方がいい。」
「状況から外科の再発ではない。」
「数か月前に手術をした科に予約を入れておく。」
そう言いながら、でもやはり不思議そうでした。
どちらの科もあり得ない様で、首をかしげながらずっと画像を見ていました。
(あっ…)
(また…亡くなった義母からのメッセージだわ…)
思い当たる節がありました。
毎朝晩、遺影に話しかけていますが、この頃は毎晩ある事をお願いしていました。
そして、某科の予約日。
この科の先生も大変不思議そうな表情をしながら、CTの画像を見ていました。
外科の主治医と全く同じ様に、やはり首をかしげていました。