リンパの腫れについて、「数か月前に手術をした科」でお話しを伺う事になりました。
CTの画像を見て、先生は外科の主治医と同じ様に不思議そうな表情をしていました。
「えっ~。」と驚いたり…。
「う~ん…。」と画像を見つめたり…。
しばらく、首を左右にかしげたり、ひねったりしていました。
やはり、外科と同じで状況から考えられないとの事でした。
しかし、実際にはリンパに大きな腫れ。
「早急に入院が必要です。」と言われました。
入院と言われ、夫は肩を落としてしまいましたので、代わりに外科の主治医にした同じ質問をしました。
「リンパですね。」
「何か所ですか?」
この科の先生も、外科の主治医と同じ様に早口になりました。
外科と全く同じ返事でした。
「1か所。」
「だから早く。とにかく早く。」
どうしても聞きたい事がありました。
「その腫れは、がんなのですか?」
「病理検査はしないのですか?」
先生は早い口調でしたが、丁寧に答えて下さいました。
「通常は、病理検査をします。」
「しかし、検査結果に2週間。」
「その間に、広がる可能性があります。」
「今ならまだ1か所。早い方がいい。」
「病理検査をしていないということは…。」
「…がんではない可能性もあるのでしょうか?」
「そういう考えもありますが…。」
「ご主人は何度も手術をされていますから…。」
「まず間違いないでしょう。」
「2週間の検査結果を待ってから入院をするより、すぐに治療を開始した方がいいです。」
色々と質問をさせて頂いたのは、夫の「また入院…。」という声が聞こえたからです。
肩を落としていました。
一番に「仕事」の事を気にしているのがわかりました。
夫が納得する説明を、先生から話して頂かなくてはなりません。
それにしても不思議です。
それぞれ別の科で、ベテランの先生方が、同じ様に首をかしげていました。
「通常はあり得ない…。」とでも言いたげな表情をしながらです。
私は、亡くなった義母の事を思っていました。
この頃、亡くなった義母に関してまた不思議な事がありました。
この日の夜、義母の遺影をずっと見ていました。
にこにこと優しい笑顔に見えました。
思わず御礼を言いました。
そして、抗がん剤治療が始まりました。