義父母の遺影には、朝晩の挨拶だけでなく報告などを含めてよく話しかけます。
ある時、神頼みの様にお願いをした事がありました。
抗がん剤治療が始まりました。
入退院を繰り返し、自宅にいる事もありました。
朝と夜は、いつもの様に遺影に挨拶。
「病気は➡義母に報告」
「仕事は➡義父に報告」
いつの間にかその様になっていました。
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ある日のこと…
この日は、義母の遺影の前に立ちました。
繰り返すがんで疲れている話をしました。
「お願いします…夢に出てあげて下さい…。」
両手をギュッと合わせ、目もギュッと閉じました。
全身でお願いするので力が入りました。
翌朝、夫が起きて言いました。
「昨夜、お袋の夢を見たよ。」
(えーっ!)
(うっそー!)
(落ち着いて、落ち着いて…)
「良かったですね。」
「何か言っていましたか?」
「あまり無理をするなと言っていた。」
たまたまだと思いましたが、すぐに義母の遺影に御礼を言いました。
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また、ある日のこと…
抗がん剤治療中でも、出勤し残業もしていました。
髪は抜け、食欲はありません。
体力も落ちていました。
しばらくして、やはり自宅での事…。
義母の夢の事はすっかり忘れていました。
この日は、仕事の相談のため、義父の遺影の前に立ちました。
「時々吐きそうになり、途中で電車を降りて、ホームのベンチで休みながら仕事に行っています…。」
「お願いします…夢に出てあげて下さい…。」
義母の時と同じで、両手も目もギュッとしました。
翌朝、夫が起きて言いました。
「昨夜、親父の夢を見たよ。」
義母の夢の事を思い出しました。
(きゃっー!)
(すごぉーい!)
(落ち着いて、落ち着いて…)
「良かったですね。」
「何か言っていましたか?」
「もっと頑張れると言われた。」
嬉しくて、急いで義父の遺影の前に立ち御礼を言いました。
面白くなり、3回、4回と試してみました。
しかし、その後は義父も義母も夢に出て来てくれません。
期待しながらお願いするからでしょうか…。
ワクワク、ドキドキしながらお願いをしていました。
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そして、突然出てきたリンパの大きな腫れの時も…。
ある日の夜中のこと…。
翌日は、外科の検査結果日。
もう4回も入院しています。
病気の話なので、義母の遺影の前に立ちました。
「いつまで続くのでしょうか…。」
「20年前、”50歳になったら一度全身を綺麗にしなさい”と言っていたのはどの様な方法ですか?」
「私が気付く様に教えて下さい!!」
「お願いします!!」
一心不乱に両手も目もギュッとしました。
力を込めてギューとしました。
何度もギューギューとしました。
すると、上部で「カタッ」と音がしました。
義母の遺影が外れました。
今まで外れた事はありません。
額縁はしっかり止まっていますので。
びっくりして夫を呼びに行きました。
しばらく二人で見上げて、斜めになった遺影を見ていました。
そして、翌日外科の診察時に「リンパ」「突然の大きな腫れ」の話を聞いた時、義母が教えてくれたのだと思いました。
20年前、義母が私に何度も繰り返し話をしていた、全身を綺麗にする1つの方法が「抗がん剤治療」なのだと思いました。
それを私に知らせるための「突然の大きな腫れ」。
だから、この腫れは義母からの「まだがんはあるから急ぎなさい」というメッセージで、「がんではないのではないか…。」と思いました。
でも、これは私が勝手に思っている事です。
真実はわかりませんが、遺影に御礼を言いました。
義母が、がんをどんどん急いで外に出してくれている気がしました。