【看病:50代④】⑰抗がん剤治療と仕事「4回目(7月):支えて下さった皆様に感謝」

6月のCT検査結果は、「残像なし」「消えている」との事でした。

抗がん剤治療は、8月までの予定でしたが、7月で終了する事になりました。

 

 

4回目(7月)の入院期間は1週間でした。

隣りのベッドは、70代位の高齢男性でした。

初めての手術との事で、落ち着かないのでしょう。

頻繁に看護師さんを呼んでいました。

 

夜中も呼んでいたので、夫は眠る事が出来なかった様です。

しかし、「その男性の気持ちはとてもよくわかる。」と言っていました。

 

―・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

入院中は気分が悪く、朝食はほとんど毎日食べる事が出来ませんでした。

昼食は、リクエストの「お好み焼き」をスーパーで買って持って行きました。

 

お好み焼きは、スーパーのファーストフードで並んで買いました。

毎日買うので、店員さんが顔を覚えてくれました。

60代と思われる、優しい女性店員さんお二人です。

 

病院に持って行くのがわかった様です。

混んでいても、急ぎで作ってくれました。

私が、その様な雰囲気を出していたのかもしれません。

 

それがわかったのは、退院後です。

 

退院後のある日、そのスーパーで夫と買い物をしていました。

久し振りの夫との買い物に、嬉しくてニコニコしながらカートを押していました。

 

その時、誰かの視線を感じました。

ずっと見られている感じでした。

キョロキョロしました。

 

その方向は、ファーストフードでした。

いつものお好み焼き屋さんでした。

 

女性店員さんお二人が、優しく微笑んでいました。

思わず、お辞儀をしました。

お二人は、ニコニコしながら頷いていました。

 

―・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

この、最後の「抗がん剤治療の入院中」に、泣いてしまいました。

 

ある日、夫が気持ち悪いと言い寝てしまったため、入院病棟を離れ、外来のフロアに行きました。

夕方でしたので、患者さんは殆どいません。

誰もいない科を見つけて、待合のソファに一人で座っていました。

 

座っていたら…自分でもよくわかりませんが、涙が出てきました。

信頼する先生方がいらっしゃるので、病気の事ではありません。

 

どうして、こんなにも毎年毎年、入院や治療や手術などが続くのか…。

終わりは来るのか…。

夫の気持ちを思うと、涙が止まりませんでした。

働き盛りです。

仕事が気になっているはずです。

 

誰もいなかったせいもあり、どんどん涙が出てきました。

ただただ、涙がどんどん出て来ました。

 

すると、目の前の閉まっていた受付の窓が突然開きました。

若い看護師さんが、私を見て慌てていました。

 

その科から、ベテラン風の看護師さんが出てきました。

「入院病棟のご家族の方?」

(頷きました)

 

「ずっと入院しているの?」

(頷きました)

 

「ご主人?」

(頷きました)

 

全く関係のない産婦人科です。

それなのに、優しい声をかけて下さいました。

我慢していた涙が、どんどん出てきました。

 

声が出ないので、お辞儀をして入院病棟に戻りました。

洗面所で、コンタクトから眼鏡に変えました。

 

夫は、入院病棟のラウンジで私を待っていました。

ソファに座り、黙って二人で夜景を見ていました。

 

どの位の時間が経ったのでしょうか…。

パタパタと音が聞こえました。

 

先生が、名前を呼びながら走ってきました。

助手の先生と慌てた様子で走ってきました。

外来フロアの看護師さんから聞いたのかもしれません。

産婦人科なので関係のない他科です。

それなに連携の速さに驚きました。

 

先生方の慌てた様子に、夫は不思議そうでした。

先生は笑顔で一言、「頑張りましょう!」と力強く言い、戻られました。

 

 

あの時、産婦人科のベテランの看護師さんに声をかけて頂いていなかったら、私がどうなっていたのか…。

自分でも気が付かないうちに、いっぱい、いっぱいになっていたのかもしれません。

ありがとうございました。