【看病:50代④】⑳8月のCT検査結果「先生を困らせた質問」

8月のCT検査結果は、「リンパの大きな腫れは消えた」という事でした。

 

先生も夫も大喜びをしています。

「良かった、良かった。」

「良かった、良かった。」

 

でも、私は微妙な気持ちでした。

初めから「がんは無い」と思っていましたので。

 

根拠はありません。

「亡くなった義父母の不思議なメッセージ」というだけです。

 

喜んでいる先生と夫には、申しわけなかったのですが…。

どうしても、「亡くなった義父母の存在」を確認したかったので…。

思い切って聞いてみました。

「喜んでいるところ申しわけないのですが…。」

「元々がんはあったのでしょうか?」

「抗がん剤治療の前に病理検査をしていません…。」

 

一瞬にして、し~んとしてしまいました。

(あっ…)

(まずい…)

 

―・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

私は、夫の斜め後ろに座っていました。

夫の椅子が、ゆっくりと回り始めました。

夫の背中が怒っています。

私の顔を見て、声を出さずに口を動かしています。

「や・め・ろ!」

 

(怖い、怖い、怖い…)

(あとで怒られる…)

 

話し始めてしまったので、もう後には引けません。

「私は、がんは無かったと思っています…。」

 

先生には、大変失礼だという事は重々承知の上です。

でも、「亡くなった後も義父母が色々教えてくれる」のが不思議でした。

思っている事を、一気に話し始めました。

 

「理由は…。」

 

「30代の外科の手術では、何もしなければあと1年だったと内科の先生に言われました。」

「がんは大きかったのに、転移も再発もありませんでした。」

「その後、13年間無事でした。」

 

「そして、2度目も外科の手術でした。」

「転勤先でがんが見つかりましたが、前回よりも進んでいると言われました。」

「それなのに、やはり転移も再発もありませんでした。」

 

「3度目の手術(某科)は先生でした。」

「その時も転移はありませんでした。」

「ベテランの看護師さんたちが、完璧な手術だったと話していました。」

 

「その後、CTを何度かしていますが、外科でもこちらの科でも何もありませんでした。」

 

「でも、今回いきなり大きな腫れがリンパに現れました。」

「いきなりです。突然です。」

「3か月に1回はCTをしています。」

「先生方は、とても慎重に見て下さっています。」

 

「大きな腫れのCTを見た時、先生も外科の主治医も、とても不思議そうな顔をしていらっしゃいました。」

 

夫の椅子が、ゆっーくりと回り始めました。

怒りながら、ゆっーーーくりとです。

私の顔を、下から見上げて睨んでいます。

やはり、声を出さず口だけを動かしています。

「やー・めー・ろー!」

「やー・めー・ろー!」

 

(きゃあー!こわーい!)

(絶対怒られるー!)

 

―・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

先生は非常に困った顔をしていました。

「う~ん…。」

「病理検査をしていませんので…。」

「今となっては…。」

「ただ、ご主人は何度もがんをしていらっしゃいますので…。」

 

先生を困らすつもりはありませんでした。

ただ、「亡くなった義父母の存在を確認したい」という気持ちでいっぱいでした。

私は、霊感があると言われた事はありません。

自分でも思った事はありません。

でも、なぜか「夫についてだけは、亡くなった義父母がメッセージ」を私にくれます。

 

先生に謝りました。

あとで夫に怒られると思ったら、慌てて変な事を言っていました。

 

「すみません、すみません。」

「いいんです、いいんです。」

「義母も生前、“50代になったら体の中を一度は綺麗にしておく様に” と言っていましたから。」

「今回の抗がん剤治療がそれだと思っています。」

 

先生はキョトンとしてしまいました。

「えっ?」

 

「あっ…なんでもないです。」

「亡くなった義父母が、時々出て来て教えてくれるので…。」

 

先生はさらにわからなくなった様子でした。

「えっ?」

 

夫の椅子が、また回り始めました。

私の顔を見て、今度は「無言」の睨み。

いわゆる「ガンをつけられた」感じです。

 

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夫が、先生に謝り説明をしました。

「妻が失礼な事を言って申しわけございません。」

「実は、私も信じられないのですが…。」

「亡くなった私の父と母が、出て来ると言うんです。」

「特に、母が色々と教えてくれると言うんです。」

 

先生は本当に驚いた様子でした。

「えっ?」

「えっ?」

 

「最初の入院は、30代で外科でした。」

「妻が、私の母の声を聞いたと言うんです。」

「”私が死ぬ” と、母が叫んでいたそうなんです。」

 

「私もまさかとは思ったのですが…。」

「取り敢えず、大きな病院で診てもらう事になり、こちらに伺いました」

「検査をしたその日に ”すぐに入院” と言われました。」

「そして、その検査を境に、母の声が聞こえなくなったと言うんです。」

 

「今回も、リンパの腫れについて、亡くなった母がメッセージをくれたと…。」

「それで、昨日から ”先生に聞きたい” と妻が言っていたのですが、まさか本当に聞いてしまうとは…。」

「私は、”やめなさい” と言い聞かせていたのですが、申しわけございません。」

 

先生は、何が何だがわからなくなった様で、黙ってしまいました。

夫と私の顔を交互に見ています。

「……。」

「……。」

 

 

お医者様ですので、科学的根拠のない話をどの様に思われたのかはわかりません。

 

私は声が小さくなりました。

「先生、すみません…。」

「どうしても聞きたかったので…。」

 

「あとで夫に怒られます…。」

 

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帰り、夫は怖い顔をしながら運転をしていました。

「先生、困っていたじゃないか。」

 

「はい…すみません…。」

「今度から気を付けます…。」

 

いつもこのパターン。

毎回、「今度から気を付けます。」

 

 

そして、もう1つの「小さ過ぎるため経過観察」になっていた、「リンパ以外の箇所」ですが…。

やはり、がんでした。

早期ではありましたが、手術をする事になりました。

9月に詳しい検査。

10月に手術。