【看病:50代⑦】③「退院時療養計画書」に書いてあった文字

8度目の退院日、担当医師から何度も同じ事を言われました。

 

 

主治医の他に、担当医師がいました。

夜中でも土日でもすぐに来てくれる、とても優しい男性医師です。

 

退院日にその先生から何度も言われました。

夫ではなく、私が…。

「ご主人の食事には十分注意して。」

「ゆっくりね。」

「ピザはダメ。」

「しばらくダメ。」

 

私からお願いをしました。

「私が言うと夫婦喧嘩になるんです。」

「先生から話して頂けませんか…?」

 

先生が考えていました。

「どうすれば守ってくれるかなぁ~。」

「そうだ!」

「忘れない様に書いておこう!」

「“厳重に注意” でいいかな。」

 

(厳重に注意?)

(何に書くのかしら?)

 

「退院時療養計画書」の「退院後の療養上の留意点」の話でした。

 

当初の予定。

「食事摂取低下しており、ゆっくりと摂取する必要あり。」

 

最終版。

「食事摂取速度、量について厳重に注意してください。」

 

そして…

「僕から、直接旦那さんに渡すから。」

 

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退院手続きのため、夫と病室にいました。

先生と看護師さんが来ました。

 

先生は、夫に「退院時療養計画書」を渡しました。

「い~い?」

「よく聞いて。」

「食事はゆっくりと。」

「食べ過ぎはダメ。」

 

夫を見ました。

(真剣に聞いているのか、いないのか…)

 

しかし、次の言葉で表情が変わりました。

「そうしないと、また入院する事になる。」

「仕事にも、なかなか行けないから。」

 

サラリーマンは “仕事” という言葉に敏感ですね。

“仕事” と聞いて真剣な顔になりました。

 

外来時にお会いした時は、忙しくても、遠くからでも、手を振って下さる優しい先生です。

ニコニコと「元気そうだね」と声をかけて下さる先生です。

現在は、異動されたのかお会いしませんが、本当にありがとうございました。

 

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身に染みてわかった「術後の食事方法の大切さ」。

今度はちゃんと守っていました。

 

退院後、「退院時療養計画書」を何度も手に取り読んでいました。

 

そして、そのたびに呟いていました。

「 “厳重に注意” って書いてある。」

「守らなくては大変な事になるな。」