【看病:50代⑦】⑧炎症反応を詳しく見るための精密検査

7つ目のがんの大手術の後、お世話になったのは数年前から通院している内科でした。

 

 

外科の大手術後、通常は自宅療養。

しかし、すぐに仕事に行き始めました。

全身に痛みが出て来て、手足は真っ赤。

 

外科の主治医に相談し、「内科」で診てもらう事になりました。

内科の主治医は、毎週某大学病院から来ていました。

 

その大学病院で、「特別な検査機器」を使い、精密検査をする事になりました。

その「特別な検査機器」を導入している病院は、日本では少ないそうです。

 

大学病院の外来日。

初めての病院は、大人でも緊張します。

当たり前ですが、受付、診察室、何もかもが違います。

会った事のない人たちばかりです。

 

知っているのは先生だけです。

早く先生の顔が見たい…という不安な気持ちでいっぱいでした。

先生の顔を見るまで、二人とも無言でした。

 

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初めての手術が39歳。

2度目の手術が53歳。

その後は入退院の繰り返し…。

そして、この8度目の退院時は58歳でした。

 

58・59歳は、「外科」や「再発予防をしてくれた某科」での「がん」ではなく、「炎症」を抑えるため「内科」に通院する事になりました。

 

内科には、数年前から通院をしていました。

命に関わる事ではないのですが、時々体が痛むため通っていました。

 

しかし、毎回同じ診断でした。

「正常なので病名はつけられない。」

 

最初の男性医師も…

「正常なので病名はつけられない。」

 

次の女性医師も…

「正常なので病名はつけられない。」

 

この時の男性医師も…

「正常なので病名はつけられない。」

 

でも、「外科の大手術」後あまりにも痛むので、その先生が所属する「某大学病院で精密検査」を受ける事になりました。

 

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検査が始まりました。

 

私も呼ばれました。

「奥さんもどうぞ。」

 

夫は、見た事のない機器の前に座っていました。

炎症反応を詳しく見るための機器でした。

 

とても丁寧に、ゆっくりと調べて下さいました。

手、腕、肩、背中、ひざ、ひじ、足…。

 

先生は、夫が緊張しない様に気を遣って下さっていました。

笑顔で、夫に色々話しかけていました。

 

二人の様子を見ていたら涙が出て来ました。

命に関わる事ではありませんが、夫の休まる時が見えない状況に、涙が止まりませんでした。

 

先生は、吃驚していました。

「奥さん、どうしました?」

 

夫は一言。

「外に出ていなさい。」

 

涙が止まりませんでした。

「…すみません、そばにいます。」

 

検査機器の画像は、赤くなったり、黒くなったりしていました。

 

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検査の結果、新しい病気は見つかりませんでした。

 

しかし、炎症はひどいものでした。

手足は変形しているわけではなく「正常」でしたが、「炎症を抑えるための治療」が必要だと言われました。

 

検査の結果、先生の考えは変更なし。

「正常なので、休職しなくて大丈夫です。」

「ただ、炎症が強いので薬で抑えて行きましょう。」

 

夫の気持ちも変更なし。

「休職する事は、もう決めています。」

「診断書を書いて頂けないでしょうか…。」

 

先生は、しばらく考える時間をくれました。

「う~ん…休職は…。」

「ちょっと席を外すから、少し考えた方がいい。」

 

廊下に出て、黙って二人で座っていました。

夫の気持ちは変わらないので、改めて話す事はしませんでした。

 

掲示板のチラシを見たり、炎症を抑える治療のパンフレットを見ていました。

先生は、なかなか戻って来ませんでした。

 

かなり経った頃、笑顔で戻って来ました。

「どうですか?決まりましたか?」

 

夫は即答。

「やはり、休職したいので、診断書を頂きたいです…。」

 

先生は、後ろから1枚の紙を出しました。

診断書でした。

 

先生は、夫がどちらを選択してもいい様に準備をして下さっていました。

 

ホッとしました。

(良かった…)

(これで、仕事を気にしなくていい…)

(久し振りに心身ともにゆっくり出来る…)